圧倒的に私学有利と言われている現在の高校空手の構図。そんな中で、昨年末から年始にかけての高校錬成大会、そして近畿選抜大会で上位を賑わせている兵庫県立兵庫工業。兵庫県内はもとより全国でも、公立の雄という位置付けを確実に築いてくるようになっている。
どこにでもある地域の普通の公立校が躍進していった背景は何か? 部活を訪ねて探ってみた。
兵庫県神戸市にある兵庫県立兵庫工業高校は、1902(明治35)に設立された歴史のある工業高校だ。空手道部は1953(昭和28)年に創部され、1982(昭和57)年の鹿児島インターハイにて男子団体組手で第3位になるなど、公立高校では古くから実績のある高校として認知されていた。
現在は、同校の教諭である井戸康善先生が監督、橋本敏男先生が総監督として部活を指導、さらにコーチ、トレーナーも加わり、部員は全国優勝を目指して日々練習に励んでいる。
前任校の東灘高校でも全国大会へ導いていた井戸先生が兵庫工業に赴任して5年目。「本気挑戦」をテーマに指導をし、近年はコンスタントに全国大会などに出場。昨年末の清洲城信長杯(愛知)では、男子+68kg級で松本龍魁が優勝、男子-61kg級で松本哲治が準優勝、年始の桃太郎杯(岡山)では男子団体組手で準優勝、また、先月の近畿高校選抜大会でも男子団体組手で準優勝などと、組手では上位入賞を続けている。
桃太郎杯、近畿選抜大会は、ともにあと一つ勝てば優勝というところで、横綱級の浪速(大阪)に惜敗した。ただ、この二つの準優勝で誰もが全国トップレベルにあると感じた。「公立での全国制覇」、僅かでもその夢が本気で手の届くところにまで来ているという感触もあるはず。
兵庫工業高校空手道部。間近に迫った全国高校選抜へ向けて意気が揚がる同校空手道部を取材、井戸先生の指導方針をお聞きし、組手の練習メニューの一部と空手につながる身体トレーニングの一部を紹介してもらった。
詳細は3月23日発売の「JKFan5月号」に掲載します。